椎葉では、犬を用いた猪鹿狩りが今も盛んに行われ、獲物を追いかける「セコ」と、獲物が出てくるのを待って鉄砲で撃つ「マブシ」とに分かれ猟がなされています。集団で猟に出かける前に、まず動物の足跡を探る「トギリ」が山に出かける。トギリが場所を選定すると、セコとマブシの配置を決め、鹿や猪を追いかける。犬は山上から追いかける側のセコが連れて行く。
猪を追いかけると、必ずニタと呼ばれる湿地帯に逃げると言われる。猪の体温が上昇するので、水に浸かって冷やすのだという。そのため、ニタは格好の猪の猟場とされた。猪だけでなく、あらゆる動物が集まってくる所です。ニタに罠を仕掛けることもあり、エサで猪をおびき寄せ丸太や石で押しつぶす「アセリサンマイ」という罠を作った伝承も聞かれる。